Char 45th Anniversary Gift

Char Live 1976 Jacket Char Live 1976 Jacket

1976年にCharが行なった
ファースト・ツアーの模様を収めた
貴重なライブ音源がリリース!

2022.10.28 on Sale

不朽の名作『Char』を
創り上げたメンバーと共に
眩い輝きを放った“歴史的瞬間”の記録

日本が世界に誇るギター・ヒーロー、Char。彼がデビューしたばかりの1976年に行なったツアーのライブ音源が発掘され、『Char Live 1976』として10月28日にZICCA RECORDSからリリースされる。時は1976年12月3日、場所はライブハウスの聖地・新宿ロフト。日本のロック史に燦然と輝く不朽の名作『Char』を創り上げたレコーディング・メンバーと共に、わずか半年という短い期間を太く駆け抜けた瞬間を記録した貴重な作品に仕上がっている。のちの音楽シーンに革命を起こす若きプレイヤーたちが瑞々しく躍動するバンド・サウンドをたっぷりと堪能してほしい。

日本のロックにおいて“歴史的瞬間”をとらえた音源が発掘された。1976年12月3日、新宿ロフト──のちにエレクトリック・ギターを手に音楽シーンに革命を起こすCharの記念すべき“ファースト・ツアー”の模様を収録したカセット・テープが見つかったのだ。この時のバンド・メンバーは、ロバート・ブリル(d)、ジェリー・マーゴシアン(vo、k)、ジョージ・マステッチ(b)、佐藤準 (k)。この音源には、音楽史に燦然と輝く名盤『Char』を作り上げた面々と共に、若き日のギター・ヒーローが瑞々しく躍動する姿が収められている。

注目は、「SHININ' YOU, SHININ' DAY」、「Smoky」、「かげろう」といった時を超えて愛され続けている名曲たちを始め、「Jeff’s Boogie」(ジェフ・ベック)や「Jumpin’ Jack Flash」(ローリング・ストーンズ)などのカバー曲、ジェリーの力強い歌声をフィーチャーした未発表音源「Roller Coaster Baby」などの貴重な“ファースト・テイク”というべき演奏の数々だろう。このメンバーでの活動はバンド結成からわずか半年という短い期間であったが、この音源によって才気溢れるプレイヤーたちが創り上げた狂熱のライブを追体験できるはずだ。

のちの音楽シーンを変えたと言っても過言ではない“Char”というバンドによる初のライブ音源であり、その雄姿をとらえた貴重な記録である『Char Live 1976』。今もなお進化の歩みを止めないCharのデビュー45周年イヤーを締めくくるにふさわしい1枚と言えるだろう。

パッケージ通常版には、ライブCDに加えて、今まで実現することのなかったCharと佐藤準によるスペシャル・インタビューを収録したDVDが付属。またブックレットには、当時の貴重な写真やCharのインタビュー形式の回想録を収録しているのもポイントだ。初回限定セット版のスペシャルコンテンツには、Charバンドとして初の全国ツアー“See Saw Sceneツアー”のファイナル公演となった金沢観光会館でのライブCDのセット仕様。また、金沢公演CDにはボーナストラックで、1976年8月5日に三ノ輪MONDEで行われたライブのライン音源2曲も収録。さらになんと9/30までの予約購入者にChar45周年ツアーファイナル公演DVDが特典付属する。過去と最新のCharの表現をたっぷりと楽しめる作品と言えるだろう。

Interview

CHAR 1976 LIVE
BOOKLET -SPECIAL LONG INTERVIEW-
(ブックレットより一部抜粋)

理想のバンドを作るために
独りでLAに飛んだんだ

──今回、1976年12月3日に新宿LOFTで行なわれたツアー音源が発掘されました。その報せを知った時の感想は?

本当に驚いたね。カセット・テープに録音されたものだけど、よく残っていたなって。ステージからの光景や会場の雰囲気なんかを鮮明に思い出したよ。当時の新宿ロフトは配管パイプが剥き出しでさ、“潜水艦の中でライブをしているみたいだな”と思ったことや、お客さんが入る前のフロアにみんなで集まって「今日のライブ、どうする?」なんて話し合いをしたな、とかね。

──若き日のバンド・メンバーたちによる生々しい演奏が収録されていますが、音源を聴いて感じたことは?

もっと酷い演奏をしているかと思ったら、予想以上にちゃんとしていたね。“ギターの人”だけが荒削りだけど(笑)。思い返してみると、当時は全員ハタチそこそこなわけじゃん? そう考えると恐るべきものがあるよね。ちゃんと“バンドの音”になってるからさ。

いろんな音楽表現が自分の中で血肉となって
爆発していた時期だったんじゃないかな

──当時のツアーで印象に残っている出来事はありますか?

忘れもしないのが、金沢のライブの前日にテツから「Char、寿司でも食いに行こうぜ」って呼び出されたんだんだけど、その寿司屋のカウンター席で、テツが「明日のライブは俺らが前座をやるから、お前がうしろやれ」って言われたんだ。酔っ払って冗談を言っているのかと思ったら、まじめな顔で「時代が変わったのがハッキリわかった。これからはお前らの時代だ」って。その言葉は......すごく心に響いたね。俺がこれからやろうとしている表現は、ロックの本場で活躍するプロのミュージシャンにも伝わっていたんだなって、大きな自信になった。テツも寡黙な人だから、お世辞で言ったのか本気だったかはわからないけど......少なくともテツが個人的に俺を呼び出したのはそれが最初で最後だったよ。

──ジェリーの歌をフィーチャーしたナンバーも欠かせない要素だと感じました。

ロフトで演奏しているのは、本当なら1stアルバムにも入れる予定だった「Roller Coaster Baby」。アルバムに収録されているのは「It's Up To You」なんだけど......たしか両方とも録音した気がする。でもアルバムに入れるのはどちらか1曲ということになって、みんなで話し合った結果「It's Up To You」を入れることになったんだ。俺は「Roller Coaster Baby」のほうが好きだったんだけどね。というのも、当時の俺がまさに“書きたかった曲”なんだ。この曲のようにキーボード奏者がバンドにふたりいるという強みを活かしたいってことは、常に考えていたかな。

──デビューした1976年と現在をつなぐ貴重な作品ですが、改めて聴きどころをお願いします。

ある種、劣悪な環境で録音された音源を作品を呼んでいいものかわからないけど......俺が死んでから出されるよりはいいかな (笑)。自分の耳で確認もできたしね。あと、当時のステージを目撃した数百人のお客さんにとっては“お宝”になるだろうし、今の俺を知っている人にとっては変わっていない部分や変わった部分がすごくわかる1枚だと思う。やっていることは今とそんなに変わらないけど、“若さ”ってこういうことなのねって(笑)。Charにも21歳の時があったんだよ。そういう意味で、このライブ作品はアマチュアがプロのバンドになっていく過程をとらえたドキュメンタリーとも言えるかもしれないね。ライブハウスの創世記の記録として、どっかのうまいアマチュア・バンドのブートレッグだと思って聴いてくれたら楽しいと思うよ。

1976 of Char

Char×佐藤準 スペシャルインタビューより抜粋

Char:今考えるとまだみんな21歳とか22歳とか。ロバートは1個下だからハタチだったよな。まあ本当に真剣に音楽に向き合ってたな。俺は全くソロにしなかったから。たまたたま『Char』っていうファーストアルバムだけど。俺はパーマネントなバンドにしたいなって。この5人だったら最強なものができるし、絶対ワールドワイドなことができるバンドだってすごい実感持ってて。逆に言えば俺がもっと成長しないとダメだなって思ってたくらい。

佐藤:それまでスタジオミュージシャンで培った色々なテクニックがあるじゃない、サウンドの作り方とか。それが役に立ったよね。エンジニアに任せないで、自分達の音はこうしたいってのがあったよね。

Char:俺の場合どうしてもフロントでギター弾いて歌ってるから、なかなか後ろとか横とか見れないけど、すごいグルーヴでやってるなっていうイメージがいつもあったね。もの凄いエネルギーで。

佐藤:今回の音源聴かせてもらったけど、45年ぶりに聴いて、当時のグルーヴと声の感じが面白かった。ファルセットが綺麗に出てて。あのギャップが面白い。

Char:よく聴くとライブはめちゃくちゃロックなんだよ。でもレコードはあんまりロックっぽくないんだよね、音色的に。

佐藤:奇をてらった感じはないね。ロックっぽいって意識もあんまりない。オーソドックスにちゃんとやろうとしてる。

Char:5人の個性が全部出てる。1枚目のアルバムは特に、出てきたものが俺らになってるんだよね。みんな経験者だったからだと思うんだよね。そんなデビューアルバムを作れたことが誇り。それでステージ行くとバコーンってロックになっちゃう。よりレコーディングでは出せなかったエネルギーみたいなものが爆発してる。めっちゃ弾き倒してるし、めっちゃ動いてる。

佐藤:今はもうCharはチューニングもいいじゃない(笑)。でもあの頃はテクニックの人もいなくて自分でチューニングしてるから、独特の作り方があって。今のCharにはない、レコーディングでも聴けない、今回の昔のライブ音源でしか聴けないCharのチューニングの狂い方、独特のサウンドがある。上手いだ下手だよりも、あの頃のその感じを「これだよこれ!」って一番面白く感じた。

Char:ギター1本しかないから必ず3弦が狂うんだよ(笑)

佐藤:狂ってんだけど、意識的にそれをなんとかフォローしようとして、よりスピード感が増すの。それがより凄みを増すの。何かミスるとそれをかき消すかのような何かをするの。あの頃多かったでしょ? 今のCharにはないチューニングの狂い方と独特のミスり。ミスりが尖ってる。考えないで行ってピャーッと飛んでくみたいなフレーズ。あれがカッコいい。あの若さだから出るエネルギーがほとばしってる。

Char:でもそれは俺に限らず全員から感じるよ。今回の音源を聴くと、ものすごいポジティブで、かといってアグレッシブかというとそうでなくて、ちゃんとどっかで音楽的な成立点がある。

佐藤:あのバランスは面白いね。

Char:レコード通りに弾こう思えば思うほど間違っちゃうから、もういいやって。いわゆるアドリブに入るんだけどね。

佐藤:それがすごいのよ、もう狂っちゃってもいいや、みたいな、開き直って。

Char:でもよく聴くと、狂ってんのが狂ってないように聴こえるフレーズ弾いてるんだよね。それは自分のアルバムを作る21歳になるまでに、本当にいいものが聴けて、いろんなフレーズを吸収した上で作ってるからアイデアが凄い。準のソロもそうだけど。あの頃の俺らの音楽って、アドリブのようで実はある種セリフなんだよ。

佐藤:そうだね。